うつ病の治療を先送りにするリスクについて
治療の先送りは、自分や社会への不利益を与えてしまうこと、また治療の長期化や薬の量が増えてしまうことがリスクだと言えます。
将来への不安や意欲の低下、気分の落ち込みなどの症状が一時的に良くなっているように感じされることがあります。これはうつ病の浮き沈みによるもので、うつ病が治ったわけではありません。特に最近のうつ病の特徴は、軽い症状でありながらも継続的に長引いてしまうことです。これは治療をしなかったために長引いてしまうこともあります。
当院、もしくは心療内科・精神科では早く治療に取り掛かり、自分のペースで生活できる時間をできるだけ早く取り戻すサポートをさせて頂いています。症状が出てからではなく、予兆を感じられたら相談、話を聞きに来ることから始めて見てください。
こちらのページではご自分状態の確認、もしくは身近な人の状態を確認することができますので参考にしてみてください。
うつ病はなかなか自覚しづらく、病院に行って治療を受けようと決断するまでに時間がかかってしまい、その間に症状が進行してしまう場合が多々あります。
まずはご自身でうつ病の疑いがあるかどうかチェックしてみましょう。
また、周りにうつ病かもしれない人がいる、という方も、ご自身の主観で構いませんので、下記のチェックシートで確認してあげてください。
自分のためのうつ病セルフチェック
この2週間、次のような問題にどのぐらい頻繁に悩まされていますか?
- 1.様々な物事に対して興味が出ない、楽しめない
- 2.気分が落ち込んだり憂うつになる、絶望的になる
- 3.寝つきが悪く、夜中に目が覚める。逆に眠りすぎる
- 4.疲れがなかなか取れず、気力がわかない
- 5.食欲が出ない、または逆に食べ過ぎる
- 6.自分はダメ人間で負け組だと気に病んだり、自分や家族に対して申し訳ないと思うことがある
- 7.新聞やテレビなどに集中することが難しい
- 8.他人に気付かれるぐらい動きや話し方が遅くなるときがある、また反対に落ち着きがなくなりそわそわしたり無駄に動き回る
- 9.死んだ方がマシだ、あるいは自分を何らかの方法で傷付けようと思ったことがある
半分以上・ほとんど毎日が5つ以上の場合「こころ」や「からだ」が不調になっている可能性があります。
まずは当院にお気軽にご相談下さい。
家族・友人・同僚のうつ病チェックシート
- 1.非常に強い疲労を、長い間感じているように見える
- 2.いつも憂うつそうだったり、イライラして不機嫌な様子である
- 3.朝や休み明け、調子が悪そうだ
- 4.眠れない、もしくは眠りが浅そうだ
- 5.会社(学校)に行きたがらない、遅刻・早退が増えた
- 6.あまりしゃべらなくなった
- 7.今まで好きだったことに興味を示さなくなった
- 8.最近食事の量が減った
- 9.身なりや生活態度がだらしなくなってきた
- 10.体がだるいと訴えることが多くなった
- 11.アドバイスをしても聞かず、更に悲観的になっていく。
ご自身の周りに上記の症状が5つ以上当てはまる方がいれば、うつ病の可能性があります。
ただ、断定してすぐに「うつの疑いがあるから、病院に行こう」と言ってはいけません。
まずは相手の話を聞いてあげることから始めましょう。
うつ病の方との接し方
もし、実際にうつ病になってしまった方がいたら、下記の項目に気をつけながら接しましょう。
間違っても、「誰でも同じことで悩んでるよ」「頑張って元気だして」というような言葉をかけてはいけません。
叱咤激励はしない(励まさない/怒らない)
うつ病患者への接する際に、最も気をつけるべきポイントです。
励ましや叱りつける、怒るなどといった類の接し方は、うつ病患者の心により負担をかけます。
自殺願望を増長させる原因にもなるので、絶対に避けるべきです。
話を良く聞いてあげる
相手の話をよく聞き、気持ちを理解・共感しているような話し方をしましょう。
どのような内容であっても、家族/恋人/友人/知人だからこそできる親身な接し方を心がけましょう。
ゆっくりと休ませてあげる
家族や恋人などの一番身近な方が率先して気を配りましょう。
うつ病の方との接し方の大前提として、うつ病は一種の立派な病気であるという認識を持ちましょう。
仕事/学校/家事などはできる限りさせず、休養を取れるよう協力しましょう。
重要な決断をさせない
うつ状態にかかると、退職や離婚など、人生における重要な決断をしそうになります。
しかし、うつ病患者に重要な決断をさせてしまうと、後から後悔し、うつが悪化する恐れもあります。
ですので、すぐに決めなければいけないこと以外の重要な決断は先送りにしましょう。
どうしても決断せざるを得ない物事は、身近に居る方が一緒に考え、アドバイスをしながら決断を出しましょう。